ヲサム旅日記

7日目 その1






サラタビ第10章:第7日目 その1。ブータン、ティンプー〜パロ

カルマにすすめられて気の乗らないタクツァン登り。
しかし行って見れば「よかった!」。

目が覚める。頭がちょい痛い…。昨日、騒ぎ過ぎた。天気は晴れだが気分が曇っている。でも朝食をとった後にはスッキリした。朝食って大事だ。普段、ほとんど朝食をとっていないワタクシにとって、旅行中の朝食は色んな事を考えさせる。もっと余裕を持った生活をしないと…、いつも思う。いよいよブータン最後の日。ここ首都ティンプーから空港そばのパロに戻る。特に、ティンプーではする事もないので、すんなりパロに戻る予定。

朝食後、カルマが部屋にやってきた。どうも一人できたみたいである。話すと、昨晩、自分の家で眠ってしまったとの事。寝坊して、慌てて歩いて例の食堂へ行ったが誰もいなかったので、あきらめて帰ったらしい。その事で、今朝は早めにホテルに来て我々に謝りにきた。こっちは問題なかったよと返すと、ホッとした顔をしていた。真面目なヤツである。しかし、カルマがあの場所にいたらどうなっていたんだろうと思うと、残念であった。

しばらくしてミンジュがやってきた。来るなり、カルマに向かって何やらワーワー言っている。勿論、何を言っているかわからないが、昨日の"すっぽかし"と今朝の待ち合わせの件だろう。人間、慣れると何となくわかるものだ…ホントかな…。

チリを買う
9時過ぎにホテルを出発。その際発覚したのだが、昨晩、ドライバーのミンジュは我々をホテルに返した後、一人で、またクラブに行ったそうである。しかも、朝の3時過ぎまで踊っていたそうである。クラブデビュー、今後が心配である…。途中、フジウラさんがチリ(唐辛子)を見たいというので、ちょっとした市場に寄った。赤、緑と辛そうなチリばかり。ブータン料理が辛いと言われるのも分かる気がする。

2時間弱で目的地パロに到着。ホテルは初日と同じ「Hotel Gangty Palace」。まず、チェックインし、荷物を置いた。いささか天気が曇りがち。これから昼食をとってから時間もあるのでブータンで最も有名な「タクツァン」を見に行こうと言う。タクツァンへは初日に遠くから豆粒のようなそれを見ただけであった。

タクツァン遠景
お気楽サラリーマン二人はこの最も有名な「タクツァン」に対してそれほど思い入れがなく、むしろ、近くに行くまでに2時間くらい山道を歩くよ、と聞くと、そんな所は別に近くまで行かなくたって良い、などとと思っていたくらいであった。なので昼食をとっている際、小雨が降ってきたのだが、カルマに雨だから無理していかなくてもいいよと進言したくらいである。

しかし、カルマにしてみれば本業の山岳ガイドの本領が発揮できる場であったからかどうかは知らないが「こんな雨すぐやむよ」と向かう気マンマンであり、我々のお気楽さが全く伝わらなかった…。とはいえ、時間もあるし、当初、ブータン旅行を計画した時も「タクツァン」へ行くことを考えていたので、従うことにした。

ちなみに本日の予定は「タクツァン」を見にいった後、パロにある農家のお宅へ訪問し、そこで石風呂(ドツォ:ブータンの伝統的なお風呂)と晩御飯をご馳走になるという。山登りで少々汗をかいた後にブータン風呂ってのもいいんじゃない、っていうのもタクツァン見学の決め手になった。



街の中心部から来るまで数10分。タクツァン見学ツアーのスタート地点に到着。ここからタクツァンが見える。カルマに言わせれば1時間くらい歩くという。まっ、のんびり行こう。そのタクツァンへはちょっとした山道を登っていった。ちなみにミンジュは車でお留守番である。昨晩の夜遊び疲れである・・・。

森の道
途中で休憩
途中、何度か休憩しつつ上を目指す。道すがらカルマは道横の草花の名前を熱心に教えてくれた。山岳ガイドの本領発揮である。しかし、仏像同様良く分からなかった…。

歩くこと、約1時間弱。ようやくタクツァンが豆粒大からゲンコツ大程の大きさになってきた。

タクツァンが見えてきた
タクツァン僧院
ほほぉー、近くで見ると中々いいもんだ。到着した場所は山の中腹にあるレストハウス。許可書がないとここから先は行けないとの事だが、目の前にはタクツァン寺院がキレイに見える。


花越しにタクツァンを見る
あらためて見ると、その「スゴサ」が感じられる。

ここで、十分。コーヒーとクッキーで休憩しながら目前のスゴイ不思議な光景に見入る。
ちょとだけ調べたのだがこのタクツァン、向こうの言葉で「虎のねぐら」の意味があるそうである。タイガーマスクの「虎の穴」はひょっとしてここからきたのではないだろうか。このタクツァン、チベット仏教の聖地である。そして絶大な人気があるそうである。多くの僧侶がこの地で修行をしたのであろう。タイガーマスクのように・・・ってなわけないか!?しかし、スゴイの一言に尽きる。

タクツァンの前でお茶

現在もこのタクツァンには僧侶が何人か修行をしているそうである。ドライバーのミンジュは子供の時にこの僧院まで行ったそうなのだが、結構険しい崖も登っていくのだと説明してくれた。


しかし、何故、こんな所に建てたのだろうか?神がそうさせたのかな?なのであれば神ってスゴイ。世の中では神様をめぐり様々な出来事が起こっている。良い事か悪い事かは別にして、それもまたある意味スゴイ事である。ワタクシは都合の良い時だけ神様を利用させていただく大バカ者であるのだが、そんなスゴイ神様(どの神様の事を言うのかわからないけど…)に一言。世界平和をお願いします、タクツァンに向かってそうお辞儀した。

何にしろこのタクツァンは日本では感じられない非日常な空間であった。ブータンにおよりの際は是非ともこのタクツァンを見に行ってみてください。「イイ」です。ハイ。

行く前に面倒くさがっていた事を少々後悔し、一方でタクツァンを見る事ができた事に感謝、感動しつつ下山してみると、ミンジュが寝起きだった・・・。コイツも俺と同じ都合の良い大バカ者だろう・・・失礼かな。





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