一日で戻ってくるからと予約していたのだが、ホテルの部屋は404に変わっていた。 行くとメイドの女の子たちが中でお喋りをしていて、客が来たので慌てて出ていく 。金庫は使えないしビールは冷えていない。 帰る時刻を言って行かなかったのがいけないのか? |
服をすべて洗濯して、干しまくる。空気が乾燥しているので水分はすぐに飛んでい
く。 「ミャンマーは洗濯物が早く乾くから助かるわー」と、お母さんみたいなこと を思う。 |
落ち着いたら、腹が減ってきた。町まで遅い昼飯を食べに行くことにする。 |
このホテルのエレベータは英国製で一階はG、二階が1と表示されている。木製の室
内はずいぶん使い込んであるが、なかなか味のあるものだ。 それに乗ったら次の階 ですごい美人が乗り込んできた。インド人だろうか。ディズニー映画「アラジン」 に出てくるジャスミン姫のような切れ長の眸とかすかに浅黒い肌の若い娘だ。お付 きの人らしい中年女性と一緒だったから、隣国へ旅にでも来たのだろう。エレベー タが地上に着くまでのわずかな時間だったしもちろん一言も言葉をかわすことなど ないのだが、突然間近に絶世の美女が現われたので見とれてしまった。 |
午後の陽がまぶしい。ホテルの外から部屋のあるあたりを眺めたら、玄関の真上の
部屋のテラスに洗濯物がひるがえっていた。景観権なんていうものがこの国にあっ
たら罰金ものだ。空気は熱く乾いている。アジアモンスーン気候の外に出た、とい
う感じである。 |
町までの道が遠いことはわかったのでタクシーで行く。「ダウンタウン」とだけ言
って適当に走ってもらったら公園があったのでそこで降りる。 公園に沿った通りは樹木も多く、乾いた町のなかでこの一角だけは潤った雰囲気がある。 そこにいくつか酒場とおぼしき店があった。 まだ昼間なので空いていない。後でまた来ることにして場所を覚えておく。 |
公園に入るのに、ごくわずかな入園料を取られたが、正確な金額は覚えていない。
けっこう人が多く売店もあったので飲み物を買って芝に寝転ぶ。係員がホースで水
を撒いている。なんだかのんびりした気分だ。 |
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