Singapore
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朝のうちにAMEXにカードを取りに行く。
オフィスは、周囲とまったく隔絶した現代的なビルであった。

7時頃起きたので、ホテルのガーデンカフェで朝食を取る。どうやら団体客と間違えられたらしく、バイキングの朝食を取ったが何も請求されない。まあいいか、財布もなくしたし。(おいおい、関係ないってば)と自分でツッコミながら部屋に帰る。

電話帳でAMEXの住所を見ると「Winsland House」となっていて、それはこのホテルのすぐ近くだったので歩いて行ってみる。ところがオフィスは閉まっていて「BeachRoadに引っ越した」という札が貼ってある。立派なオフィスビルだったので警備員がいた。

「BeachRoadへはどうやって行くのだ」
「MRTのBUGIS駅から歩け」

MRTというのはシンガポールの地下鉄である。東西南北に別れていて真ん中のCITYHALL駅が乗り継ぎである(大江戸線の乗り換えが都庁駅なのは、これと関係あるのだろうか)。乗換駅のホームに工夫がなされていて、東への乗り換えはCityHall駅だが、西への乗り換えはRaffle's Plazaでやることになっている。


ともあれそのMRTに乗ってBUGIS(武吉士)駅まで行く。駅名にはみんな漢字が当てられていて、それが存外格好良い。バンドの名前に使えそうだなあと漢字名を駅ごとに見ながら乗っていく。

シンガポールはなかなかの広告大国で、現地モデルは人気の仕事だという。地下鉄の駅にも大きなポスターが貼ってある。携帯電話の広告が目立っていた。


西洋と東洋が混じる
BUGIS駅で降りて、AMEXの入っているというTHE CONCOURSEというビジネスビルを探して歩く。このあたりは中華街とイスラム街が混在するエキゾチックなところだ。

ARB STREET、SALTAN'S GATEという地名を過ぎると視界が開けた。ここがBeachRoadらしい。そこに唐突に近代的なビルが建っていた。目的地、THE CONCOURSEである。

ちょうど隅田川や品川の外側に新しいビジネスビルが建ったようなものだろう。AMEXのオフィスは近代的で、ミニスカートを着た美人社員が働いていた。かなりの高層である。大きな窓からは森や高速道路、そしてシンガポール港が見渡せる。素晴らしい眺めだ。


カードは簡単に発行された。仕事ぶりはきびきびしていて、まるでアジアにいるような気がしない。ほんとうに「最適の街」でカードをなくしたものだ。

ビルから出たらふたたび中華雑貨屋の向こうに錆びたムスクが立っているBUGISの町だ。こういう通りは好きなのだがあまりゆっくりしてもいられない。昼前には約束がある。会社の先輩に会うのである。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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