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タクシーを降りてホテルのフロントに着くなり、気づいた。 「タクシーの中にサイフを忘れた!」 |
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チェックインもそこそこにフロントに「いまのタクシー会社を調べて電話してくれ」と頼む。とりあえず部屋に入るが、急いでやることをすませなければならない。財布のなかに入っていた現金は1万円程度でたいしたことはない。問題は2枚のクレジットカード、VISAとAMEXだ。 |
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誰かに買い物でもされたら面倒なことになる。至急その2つのカードを止めなければならない。ベルキャプテンに現地の電話番号を教えてもらい、部屋から電話をかけて現地の担当者にカードの使用停止を申し込む。停止は案外簡単に済んだ。問題は再発行である。VISAカードは東京デスクから掛けなおすというので、ホテルの電話番号を教える。 |
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ほどなく、部屋に日本語の電話がかかってきた。電話代は向こう持ちなので気楽なものだ。再発行の手続きをすませると、新しいカードは明日ホテルまで届けてくれるという。たいへん便利である。 |
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いつかはなにか忘れ物をすると思ったが、ついにやってしまった。柄にもなくタクシーの中で考え事なんかしていたのが原因だろう。それにしても、変な言い方だが「最適の街でカードをなくした」ものだ。インドネシアの片田舎で落したらこうはいかなかっただろう。それこそその町を出られなかったかもしれない。 |
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AMEXはホテルに届けてくれるほど親切ではなく、シンガポールのオフィスまでカードを取りに来いという。まあそれでも翌日発行だから迅速とは言える。これもなにかの機会だからAMEXのシンガポール事務所を見に行くとしよう。 |
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その交渉をしている間も念のために先ほどのタクシーをつかまえようとしたのだが、結局タクシーは捕捉できなかった。しかたがない。カードの手配はできたし、これでよいとしなければなるまい。 |
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