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ジャカルタの地図を見ながら、Gambir駅、Merdeka公園、と歩く。公園の小さな水溜みたいな場所でも人々は平気で水浴している。石鹸を使っている人もいる。この国の人は水浴なしではいられない。ちょっとでも水があると、すぐそこに浸かろうとする。 |
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公園を抜けたところに国立博物館がある。観光バスが来ていて、土産物売りが群がっていた。そこを汚いサンダルでぺたぺた歩いていくが、物売りは私には近寄ってこない。 |
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さすがに大きな博物館で、仏像と少数民族の資料が充実していた。しかしもっとも見たいものは「ジャワ原人の骨」である。どこにあるのか。かなり探し回ったすえ、ようやくそれを見ることができて大満足だ。 仏教の像もたくさん展示されており庭にもところ狭しと並べてあったが、ヒンドゥのシバ神の像に小さいけれど崇高な感じのするものがあって、しばしそれに見入る。こと偶像を(偶像と言ってはいけないか)作ることについては、ヒンドゥは非常に優れた文化を持っていると思う。 |
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適当にバスに乗っていると遠くに大きなムスクが見えたので、降りてその方向に歩く。歩いてみるとえらく遠かった。汗をかきながらようやく近所まで来たが、延々と鉄柵があって中に入れない。入口はどこだ? 人の流れにしたがってようやく柵の中に入った。 |
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建物の入口に、案内人が何人もいる。サンダルは脱いで裸足になったのだが、それだけでは足りずサロン(腰巻)を巻けという。それに従うと英語の話せる案内人がついてムスクの中を案内してくれた。 |
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これは世界で2番目に大きなムスクである。ラマダン(断食)のときにはここに1万5000人集まって実況中継する。 断食の実況中継?それは何だと思ったが、施設を見せてもらったらおおかた想像がついた。巨大な伽藍に人々が集まってコーランを唱える。その前で指導者が説法をする。その様子をテレビ中継するのである。 イスラムの「行く年来る年」のようなものか。それを見終わったら、ラマダン明けの大宴会をするのだろう。 |
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外に出るとメッカの方向を向けて線が引いてある。その数が多い。コーランがみんなに聞こえるよう、高い塔を築いてそこにスピーカーをつけてある。この「半端な技術革新」がなんだかおもしろい。 |
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案内は無料なのだが、「イスラムの活動に喜捨を」と言われてなにがしか渡す。異教徒になんの圧力も加えない案内人の態度は、なかなか立派だった。 |
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