ヲサム旅日記
6日目
その2
サラタビ第9章:第6日目 その2。ブータン、ティンプー
ツッチェにもちょっと飽きてきた。
町をぶらついて「か○ぱえ○せん」を見つける。
ツッチェが始まってから数時間。内容はワンデュ・ホダンと似ている。っていうか同じに見える。正直ちょっと飽きてきた。御昼前になって日差しも強くなり、暑くもなってきたので、カルマに頼んで、お昼に行こうと誘う。OKということになり、一旦ゾンの外に出る。
が、しかしミンジュがいない、車ごと・・・。ありゃりゃ、ナンパでも行ったか?確かに首都だけあって女性は綺麗で、派手な人が多い。まったく…、である。まぁ、ただミンジュを待っているのも暇でしゃくなのでゾンの周辺を散歩する事にした。
散歩の途中、カルマにふと思った疑問をぶつけてみることにした。
ここティンプーのツッチェを観察してみると、地元の見物客はツッチェを見ても比較的早く、しかも続々と帰っているのである。ティンプーの人達はツッチェにあまり興味がないのかなぁと思ったのである。その疑問に、カルマは期待通りというか、予想通り「YES」の答え。特に若い人達の中にはツッチェを全く見に来ない人もいると言い、「家でテレビジョンを見ていると思う。」だとか。
思わず笑ってしまった。というのも老若男女、誰もが民族衣装を身にまとい、荘厳なゾンの中では伝統のある踊りや歌があるという、いかにもブータン!という光景の一方、家では若者がMTVでロックなんぞを見ているのである。このギャップを想像したら笑ってしまったのである。
この質問の答えで今まで自分の中にあったブータン像が完全に崩れてしまった。今日まで、色々と「ブータン」を見てきた。その旅の中で、これって想像していた「ブータン」と違うよなぁーとふと首を傾げたり、意外!と感じた事が幾つかあった。それでも日々、民族衣装のキラやゴを見るたびに、やっぱりブータンだ!と無理やり意味不明な思いこみをしてきた。ところが、現実はブータン人がノリノリでロックンロール(この表現も古いが・・・)しているのである(想像)。笑わずにいられなくなってしまった。
そうなのである、今は何でもあるのだ。たとえ、それがブータンであっても。
秘境だとか、龍王の都だとかというのは勝手な想像であって、やはり文化は進歩しているのだと認識した。今まで無理やり思い込んでいただけに、何かスッキリした。そうこうしているウチに前方にはニコニコ笑っているミンジュがいた。こいつもノリノリブータン人の一人なのだ。
昼食はまた「PLUMS CAFE」。昨日の晩飯をとったレストラン。観光客が続々と入ってくる。文化は変化しつつあっても食文化はまだ残る(だろう)。なんとか、ブータン人の食する料理を食べてみたい。今晩こそ、地元の人間が食べるような食事をさせてくれと強く要望した。カルマは快くOKしてくれた。ちなみに食事はやっぱりマイルドな料理だった。いつもどおり。フジウラさんにはやや物足りないよなぁ。
昼からは再度、ツッチェに戻ることにした。しかし、やっぱり同じ感じの催し物。あくびが出てきた。
暇だから周りをキョロキョロ見渡す。すると、ワタクシの隣に小坊主がいるではないか。あまりにも良い顔をしていたので写真を撮らせてもらった。ウン良い顔をしている。将来立派な僧になるんだろう、勝手に思いをはせる。
ふと気付くと隣でカルマがツッチェを食入るように見物している。カルマはミンジュと違う、まだ、伝統、文化に興味があるんだ、と思う。我々はすっかり飽きたので街に行こう、と誘いたいのだが、年に一回のツッチェであるのはカルマも同じ。食入るように見ているカルマを見ると、誘いずらい…。まっ、ちょっと我慢することにした。
小1時間我慢したところでようやくカルマを誘った。すると、カルマいわく「私も飽きていたんですよ。」と。我々を思っての言葉なのだろうか、いやそうしておこう。でも本音だったらもっと早く誘えば良かった…・。
ツッチェをあとにした我々は、一つ有名な寺院があるというのでそこに連れていってもらう。名前はメモリアル・チョルテン(だったと思う。)
有名な寺院だけあって参拝者はかなりいる。しかし、昨日同様、寺院の見学は既に満腹状態。申し訳ないが早々にあとにした。
結局、街に戻り、買い物をすることに。カルマが車中で言う。ハンディクラフトセンターがある。そこに行ってみよう、と。そういうのはあまり好きではなかったが、どうせ時間はたっぷりある。暇つぶしに行ってみようと、フジウラさんと合意した。ついた場所は「Emporium」。ガイドブックにも載っている公営の土産物屋さん。観光客は必ず連れてこられるところだ。いや、しかし、やはり高い。確かに品数は多いのだが、これって日本と同じだろ、と言いたいくらいの値段。せっかくなので、ここではお香と曼荼羅のポスターを買って帰ることにした。これらは比較的安かったので。
そのあと、今度は街の中心部にある土産物屋さんへよった。こちらもまた高い。でも、気に入った小ぶりの絵があったので少々値がはったが買う事にした。しかし、昨日も買い物をしていて気付いたことだが(5日目の所で書いたが)、観光客に対して明らかに二重価格が設定されている。
途中、カルマ、ミンジュと別れ、街を二人でぶらついていたのだが、雨がふってきたので地元の人が集まるようなお茶屋さんに入った。そこで日本でもおなじみミリンダを頼んだのだが、1本=15Nu(40円くらい)だった。レストランで頼むと50Nu(133円程)する。3倍以上である。この国ぐるみの二重価格は今後どうなるのだろうか?今後、この国が順調に発展していくとすると…問題なのでは…。ワタクシごときが心配する事ではないのだろうが…。
ミリンダの値段について「普通はこんなものでしょうアジアというのは」、そんな話をフジウラさんとしながら店を見渡すと、カウンターの上に鍋が幾つか並んでいた。中にはどうもエマ・ダツッイみたいだ。お皿に盛っているのが見えた。ウン、辛そうである。食べてみたい。我々が求めていたブータンでの食事である。しかも安そうだし。二人で食べようかどうか迷ったのだが、今日の晩御飯をこういった食事にしてくれとお願いしているので我慢する事にした。
そのお茶屋さんを後にして、再びブラブラする。ワタクシの職業柄、ブータンのお菓子っていうものを確認したかっので、街の中のよろづ屋を色々物色した。いやあるではありませんか、日本のメーカーのお菓子。嬉しくなって、よろづ屋の奥さんに頼んで写真を撮らせてもらった。手に持っているのが「か○ぱえ○せん」。奥には「ポ○キー」。前者はタイで作られているものだった。インドから買ってくるそうである。
いやぁ、うれしいものです。ブータンにもあった「か○ぱえ○せん」。彼らもまた、やめられなくってとまらないのだろうか…。
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