ふじうら旅日記

1日目






1日目は、バンコクでの乗換え/安宿泊り。
さっそくヲサム君と「同衾」することになりました。

サラタビ第一回の第一日目は、成田発バンコク泊り。ここから翌日早朝のパロ(ブータン唯一の空港)行きに乗換えるためのトランジット泊だ。バンコクについてはご存知の方も多いだろうからくどくどしくは書かない。多少面白そうなエピソードを少しだけ。

テロの余波でそうとう荷物検査や出入国管理に手間取るかと覚悟していたが、それほどではなかった。私の荷物は機内持ち込みと中型デイパックひとつ。ヲサム君が「少ないなァ」と言ったのでまずは満足。小さな荷物は「旅慣れているポーズ」で一種の見栄である。

免税店をのぞくと、やまやで780円のキャンティが1500円で売られていた。免税店の存在価値もすっかりなくなってしまったなあ。寝酒としてスコッチのポケットボトルを一本買う。1800円。

バンコクの入国管理の列に、見るからにアラブ人の三人連れがいたので「あの人達は時間がかかるだろう」と眺めていたら、係員が来て別の場所に連れていってしまった。人種国籍によって明らかに差別している。時節柄やむを得ないのだろうとは思うが。


バンコクのホテルは予約していなかった。ブータン旅行は全部予定が固められているのでちょっと息が詰まる。せめてバンコク泊くらいは現地調達しよう、という気分である。電話をかけるにもバーツがないので空港でちょっと両替。私は都合でドルを多く持っていたので100ドルを出すと4300Bほどになる。1ドル120円として2.8円/Bくらいだ。

空港からホテルへ電話をかけようとするが、公衆電話の使い方がよくわからない。案内には662 ( 929) 2300となっていたのだが、92(929)2300とかけろという。一種の構内電話か。それでようやくホテルの人と話すことができたのだが、内容がはっきりしない。「男二人、ベッド二つ」と連呼したところ、どうやら部屋があるような反応なので、とりあえず行ってみることにする。

かけたのは「We Train National House」というところで、この名前はホテルではない。かといってゲストハウスでもなさそうだ。ホームページを見ると「女性と子供のための団体が運営している宿泊施設」となっているから、半公共のホステルか宿舎みたいなもんだろうと思う。「男二人」と強調したのは「女性専用の施設かも」という不安があったからだ。地図で見るかぎり空港から約2.5キロ。すぐ近くのはずだ。

空港からタクシーを頼んだらチケットで320B。なんとなく高い気がするけど、バンコクに着いたばかりなのでまだ価格感が出来ていない。乗るとベンツ。女性の運転手で例によって「もっと安いホテルがある/今晩遊びに行くなら乗せていく」攻撃が始まるが無視する。

空港の周りの道路は非常に不合理で、かなり町のほうへ行ってからUターンすることになる。メータータクシーに乗ったら精神に悪そうだ。この不合理な道路にはその後も何度か「へんなの」と思わされることになった。

ホテルに近づくにつれ、「なにもない、、、」。ヲサム君とふたり、「これは2.5kmなんてもんじゃないなあ」と顔を見合わせる。私は自分で選んだ手前「まずったかな」とちょっとアセる。

たいへんに健全な宿泊施設だったけど、
競艇で稼いだ金がここにも流入しているのだね。

ついたところはなんというか、学校のような、隔離された地域。一応門番がいて、なかは独立した施設になっている。みると冠に「ササガワ」と書いてある。ん?玄関に入ると笹川良一の肖像画がある。彼の偽善的資金援助の一端がここに使われているらしい。

建物は学校とか病院とかのような作り。フロントに「校長先生」みたいな女性がいて受け付ける。一泊830B(2300円)だが、どうやらツインがなくダブルの部屋らしい。部屋を見せてもらったらそこそこベッドは大きい。エアコンの風も直接は当らない感じだ。バスタブはない。ACHS(エアコン/ホットシャワー)の部屋である。

「どうする?」
「一泊だからいいんじゃないですか」

というわけで旅の初日はヲサム君とひとつベッドで寝ることになった。

We-Trainの施設そのものは体育館やプールもあって、なんだかヒマそうな白人がごろごろしている。体育館ではバレーボールをしている。暗くてよく見えないけど女性にまじってオカマがいるみたい。これは偏見による錯視かなあ。湿地で、水溜りがいっぱいあって鯉かなにか養殖している様子。囲いもなんにもない。夜酔っぱらって落ちたら大変な目に会いそうだ。

施設を一歩出ると、まわりにはほんとうに何も無くて、タクシーを呼んで近くのタイ料理レストランまで食べに行った。車が道路から下にもぐりトンネルを抜けていくので「ショッピングセンターへでも行くのか」と見ていたら、立派なレストランの前に着いた。

名前は「KAYSORN」。なかなか高級感もあって、料理も辛くてうまい。思いがけず良い店であった。

なかなか雰囲気のあるレストラン
KAYSORN RESTAURANT
受付の美女 右記の「娘」ではない
ぴしっと着衣した従業員に混じって、社長の娘とおぼしき高校生くらいの娘が店内を闊歩しているのだが、彼女だけが厚底スニーカーにミニスカという姿なのでなんだか不似合いに見えた。

ところがこれを始まりとして、この旅の間中どこへ行っても若い女性の厚底サンダル姿が目立った。かなり広範囲の流行らしい。タイもブータンもは厚底を受け入れたようだ。サンダルなら暑い国にも合うし、比較的安価でもあるのだろう。

ホテルに帰ると案外白人女性の姿が多く目立つ。昼間は男たちが所在無げにぶらぶらしていたが。女性は宿にじっとしていないで活動的なのかナ。

この宿舎にはマッサージ室があるので、出かける前に予約しておいた。ふたり交互にマッサージを受ける。死んだようなアホ面になるが、気持ちいいんである。これで仕事の疲れもとれた。さあ、明日からはブータンだ。

マッサージを受けるヲサム君




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