港町十三番地
港町十三番地
MINATOMACHI JUUSANBANCHI
(石本美由起/上原げんと)

日本の曲にもブルースを感じさせるものがあるよね、と思っています。そのひとつがこの曲。歌ったのは美空ひばり。いわゆる「ひばりのマドロスもの」ですが、ブルースのリズムに乗せると楽しい唄です。

歌謡曲については詳しくないので、この曲の背景は知らないのです。地名は入っていませんがこれは横浜の歌でしょう。「銀杏並木の敷石道」っていうのは山下公園前の通りでしょうか。元町に向かって波止場通りを左に曲がると海になっちまいますから、これは元町から関内方面に歩いているんですね。
というわけで、この店は馬車道あたりの酒場だと思います。

※ その後BBSで教えていただいたところによると、
「港町十三番地」は、川崎市川崎区の港町(みなとちょう)の歌。京浜急行の大師線にいまも港町駅がある。港町は果物の出荷港で、大師線港町駅付近で果物を模ったオブジェのついた水門が多摩川に見える。ここは日本コロンビアの発祥地でコロンビアの住所は「九番地」だったがゴロが悪いので「十三番地」にした。現在その場所に「メルシャン」がある。
ということです。勉強になりました。どうもありがとうございます。

年譜を見ると昭和32年の曲となっています。ひばりは年に1〜2枚のペースでシングルを出していますが、31年には出していないので32年に3枚のシングルを発売しています。そのひとつです。ほとんどのシングルは映画の主題歌または挿入歌ですが、意外なことにこの曲はそうではないようです。いかにもマドロス映画のテーマみたいなのですがね。

原曲はいかにも歌謡曲というコード進行だったので、いくらかいじりました。ブルースになった「港町十三番地」、聞いてください。





港町十三番地


長い旅路の航海終えて
船が港に泊まる夜
海の苦労をグラスの酒に
みんな忘れるマドロス酒場
ああ港町十三番地


銀杏並木の敷石道を
君と歩くもひさしぶり
ともるネオンに誘われながら
波止場通りを左に曲がりゃ
ああ港町十三番地


船が着く日に咲かせた花を
船が出る夜散らす風
涙こらえて乾杯すれば
窓で泣いてる三日月様よ
ああ港町十三番地


CD
美空ひばり

港町十三番地

資料
石本美由起
上原げんと
マドロス



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