Love You Live
Honky Tonk Women
ホンキィ トンク ウィメン
(Jagger/Richard)

言わずと知れたローリングストーンズの大ヒット曲。ヒット曲であると同時に名曲でもありまして、この曲のカバーはほとんど傑作です。いくつか例外もありますが。

案外カントリー系のカバーが多いのも特徴です。この曲は案外アメリカのカントリーミュージシャンに好かれる要素を持っているようです。Willie Nelson、Hank Williams.Jrのカバーはどちらも好演です。

同世代のイギリスの歌手たち、Joe Cocker、Tom Jones、Elton Johnにもカバーされていますし、グループではHumble PieやMott the Hoople(私には懐かしい名前です)も録音を残しています。インストでShadowsとVenturesがカバーしているのは、まあ「ロック名曲集」みたいなものです。これはあんまり気のない演奏で「いくつかの例外」の部類に入れていいでしょう。

ブルース畑ではAlbert King、Taj Mahalがカバー。Albert Kingは8ビートに解釈しています。Taj MahalがJames Cottonのハーモニカをバックに生ギター一本で唄っている録音は、この曲のカバーのなかでも秀逸なものです。

他にも、このジャンルの曲を多く残しているIke & TIna Turnerなど多くの録音がありますし、コンピュレーションやトリビュートアルバムは盛況ですから、今後も多くのカバーが生まれる曲でしょう。

FGODがこの曲を取り上げるきっかけになったのは実はカラオケからです。FGODは年齢差が大きいバンドなので、お互いの音楽のバックグラウンドがまったく違います。ひとりがよく知っている曲でも他の人が知っているとは限らないのです。候補曲としてカラオケで唄ってみたらメンバーの反応が良かったので、取り上げてみました。

ストーンズの演奏ではAメロにベースが入りません。オープンチューニングのギターリフにもう一本のギターが絡み、そこに重いバスドラが入っているだけです。Bメロ(HonkyTonk〜)のところで初めてベースが入ってくるわけです。これはとてもかっこいいのですが、編成の違うFGODでそのままいけるものかどうか。ちょっと悩ましいところです。他のバンドの編曲では頭からベースが入っているものもあります。

歌詞にいきましょう。題名のHonky Tonk Womenは訳しにくいのですが、辞書的な意味ではHonky Tonkは「ちゃちなバー/クラブ」ですから、とりあえず「酒場の女」としておきます。Honky Tonk Pianoからの連想で「調子外れな女」という気分も漂うところです。

Womenと複数形になっているところがちょっと不思議ですね。特定の女を指しているのではなく、出会った「女たち」を唄っているということなのでしょうか。

英語圏の人にもここのところはちょっと気になるらしくAlbert King は「Honky Tonk Woman」と律義に単数形にして唄っています。「It's a 〜」と唄うわけですから文法に神経質な人は直したくなるかもしれません。

gin soaked は「ジン漬け/酒浸り」。酒樽の中に身体ごと浸かっているような状態です。余談になりますが、昔のブルースハープは木でできていたので古くなるとよく隅々に隙間ができました。これを間に合わせで修理するのには、このハープを水(あるいは酒)のグラスの中に浸けます。すると木が水分を吸って膨れ、隙間がなくなってまた吹けるようになります。これを「soaked harp」と言いました。ただし、いったんソークすると乾いたときには前よりもひどい状態になってしまいます。人間のソークもそれと似たようなものかもしれません。

rideとは「乗る」ってこと。「乗るために二階に行く」とは、ここがそういう店だってことです。簡単に女に乗る男、あるいは乗せる女をEasy Riderと言います。heaveは「抱えあげる」二階に上がるために肩で支えたということです。「I don't seem to drink you off my mind」は「酒を飲んでもお前のことが忘れられない」。だから飲みすぎたんだ、というのでしょう。

「divorcee」は寡婦/女やもめ。離婚した女のほうです。男のほうは「divorce」。put up というのは「やって見せる」というニュアンスなので、had to put up some kind of fightは「いくらか戦って見せなきゃいけなかった」です。

fadが「一時的熱狂/気まぐれ」なので、the fadyは「気まぐれ者」。「バラで身体を包んだ」っていうのはよくわかりません。「贅沢にもてなされた」という意味か。全身に刺青を入れたという意味か。あるいは快感の表現にすぎないのかもしれません。このroseは次のnoseに音としてはつながっています。

blew(blowの過去形)は「風が吹く」「息を吹きかける」転じて「爆発する」「吹き飛ばす」「ホラを吹く」「管楽器を吹く」です。「彼女が俺の鼻に息を吹きかけて、俺の意識は吹き飛んだ」っていうのはつまり鼻から吸うタイプのコカインかなんか麻薬のことを言っているのでしょう。




Honky Tonk Women

酒場の女
I met a gin soaked barroom Queen in Memphis
She tried to take me upstairs for a ride
She had to heave me right across her shoulder
'Cos I just don't seem to drink you off my mind

メンフィスではジン浸りの
酒場の女王に出逢った
彼女は俺を二階のベッドに誘い
俺は肩を貸りなきゃならなかった
お前を忘れようと飲みすぎていたから
It's a Honky Tonk Women
Give me give me gime me a Honky Tonk Blues

そいつは 場末のクラブの女
調子外れなブルースを聞かせてくれよ
I played a divorcee in New York City
I had to put up some kind of fight
The fady the she covered me with roses
She blew my nose and then she blew my mind

ニューヨークじゃ離婚した女と遊んだ
多少戦って見せなきゃならなかった
気まぐれな女が俺をバラで包み
鼻に息を吹き込むと
俺は意識がぶっとんだ
It's a Honky Tonk,Honky Tonk Women
Give me give me gime me a Honky Tonk Blues

そいつは 調子っ外れな
場末の酒場の女たち
調子外れなブルースを聞かせてくれよ



CD
Rolling Stones
Taj Mahal
Honky Tonk Women



Rock'n'Roll
Honky Tonk

楽譜
Rolling Stones
Rock'n'Roll
Honky Tonk



LIVE情報
 ライブ情報
メンバー紹介
メンバー紹介
レパートリー
レパートリーへ戻る
クラブ
FGODクラブ
Blues Map
ブルースマップ



GO TOP表紙へ
GO FGODFGODへ
GO PREVIOUS前へ GO NEXT次へ
c 1999 Keiichiro Fujiura