Tawau
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タクシーの運転手が行き先を間違え、
田舎ホテルマンに蔑みの目で見られる。

I LOVE MARAYSIA タワウ空港は小さい。田舎のバスターミナルよりもっと小さい。それでも客待ちのタクシーはいるが、そもそもホテルの名前さえ知らないのでツーリストインフォメーションへ行こうとする。ところがインフォメーションがない。それくらい小さな空港である。


発券カウンターで話を聞く。
「ここからタラカンへの便があるか?」
「ある。しかしここでは売っていない。この住所に聞いてくれ」
教えられたのはMerdeka Travelという旅行代理店である。

「タワウの、ミッドクラスのホテルを教えてくれ」
「ノースボルネオホテルが70RM(70リンギット=2500円)、ダンロップホテルなら50RM(1785円)だ。」
「ありがとう」


ボラれないよう小銭を用意してタクシーのところに戻る。
「ダンロップホテルまでいくらだ」
「チケットを買ってくれ」
せっかく小銭を用意したのに。
空港の窓口で行き先を言い、7RM50(268円)のタクシーチケットを買う。



布地屋 「ほい、ここだ」
ありがとよ、とタクシーを降りる。案外立派なホテルだ。

フロントにいくと「?」 一泊145リンギット(5178円)と書いてあるぞ。
フロントの高慢そうな男に聞く。
「一泊50RMの部屋があると聞いたが?」
「そんなものはない」
おかしいなあ。あ、なんだこれは。ここはマルコポーロホテルじゃないか。どうやらタクシーが間違えたらしい。

マルコポーロホテルについてはサンダカンでも「タワウのホテルを紹介してくれ」と聞いたときに話に出た。この町のハイクラスホテルだ。そのときも料金が高いので見切った。

「ダンロップホテルはどこだ」
「タクシーで行け」
フロントの男はいよいよ尊大である。
「歩けない距離か?」
「歩ける。しかしタクシーで行け」
「方向はどっちだ」
「こっちだ」

態度が横柄なのでムッとする。マレーシアくんだりのこんな田舎ホテルのフロントに馬鹿にされてたまるか。しかし、向こうからして見ればこのホテルには泊まれず挌下のホテルに行く貧乏客である。 この扱いもしかたがない。しかたないのであるが、それはそれとして腹は立つのである。

市場の雨 あいにく外では雨が降りはじめている。フロントに「歩く」と言った手前ちょっと歩いたが、これはいかん。知らない町だし雨だし荷物は背負ってるし。寄ってきたタクシーについふらふらと乗り「ダンロップホテルへ」と言ってしまった。3RM(107円)。すぐ近くだ。乗ったと思ったらすぐ降りる。しかしなんとかホテルについた。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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