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黒いアタッシュケースを持って、ジャマーンが現れた。あいかわらず悪魔的な風貌だ。こちらに気付くが速度は落とさず、つかつかとボラック航空の席に着く。 え?え? ああ、こいつがボラックの係員だったのか。 ようやく事情がわかった。メルデカ旅行社はボラック航空のタワウ代理店だったのだ。片方で切符を売り、片方で搭乗手続きもする。ヤクザと役人二足のワラジ、黒駒の勝蔵って感じだ。 |
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客席は6つ。両側の窓に手が届く。 前の席に座ったので操縦士と副操縦士の背中に触れるくらい。 客が2人に操縦士が2人。まるでチャーターである。これでは料金高いのは当然だ。定期航路とは信じられない。 |
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