Solo
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一文惜しみをして雨の中を歩いたのに、
一杯の酒でそれ以上の金額を支払うはめになる。

像の近くのバス停から適当に乗ると、見覚えのある場所に着いた。どの輪タクもホテルまで3000rp(42円)というので、「高い」と歩いて帰る。

途中でヤマモリさんたちが泊まる予定だというNOVOTELホテルの前を通る。DANAホテルまではすぐ近くだ。下見のつもりでふらっとNOVOTELに入る。


良いバーがあった。
大スクリーンがあってアジア向けのMTV(いまはVIBEだが当時はMTV)を流している。キー局はシンガポールにあるらしいが、アジアのあちこちに中継局がある。画面内の映像とその地名がなんだかそぐわない。岩国からFENを流しているような感じだ。

ステージがある。ドラム、キーボード、ギターがおいてある。ギターはFENDERストラトキャスターだ。インドネシアではどのくらいの値段なのだろう。

このバーは生ビールもうまい。居心地がいいので、すっかり気に入った。他には白人客4人。なにかのビジネス会議に集まったらしくネクタイ姿で仕事の話をしている。

しかし次にジャックダニエルスを頼んだらダブルで80,000rpだった。
ここまでソロ川までの往復をバス300rpですませたり、輪タク3000rpを少しでも値切ろうとしていた努力が、ウィスキー一杯でふっとんでしまった。「生ビールを飲んでいる限りにおいては良いバー」と修正する。

為替レートでは1,136円であるが、体感レートではこのウィスキーは一杯4,000円だ。現地の物価体系のなかでは相当に高い。


もっともこのホテルは一泊48万rp(DANAホテルの7倍)だ。しかもそれはディスカウント価格だという。ドルだと64USDであった。

60米ドル級のホテルはマニラなら普通だった。ソロだとかなりの高級ホテルになるのである。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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