Jakarta
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脚に怪我をし、包帯をしたまま
阿片窟のようなカレー屋に行く。

逆向きのバスに乗ってジャクサ通りに帰る。頼んでおいたチケットができあがっている。

ホテル街の途中に狭い横道があるのを見つけて、そこに入っていく。クルマの入れない幅3メートルくらいの横丁は、地元の子供たちの遊び場になっていた。サッカーをしている子供が多い。駄菓子屋もある。

ジャクサ通り周辺 その通りを抜けると市庁舎前の広い通りに出た。その先にカメラ屋の並んだ通りがあったので、少なくなってきたフィルムを買う。FUJIのPROVIA。ここでは一本55,000rp(781円)もする。この通りにはROBINSONデパートもあるし、若者向きの衣料店もある。手頃な通りである。

脇見をしながら歩いていたら歩道の真ん中に建っていたブロックにぶつかり、向う脛をひどく擦る。軽い擦り傷なのだがかなりの長さなので、薬局によって包帯を巻く。なにしろ暑いので、膿まなければよいが。

いろいろ注射をしてきたが破傷風を予防して来ていない。結局この傷はそれから二年を過ぎていまだに跡が足に残っている。軽い擦り傷なのだが、治るのに時間がかかったのだ。

包帯をぐるぐる足に巻いて、一度ホテルに帰る。


その日の夕食は近くのHazaraというカレー屋に行った。先ほど前を通りかかったときえらく雰囲気がある店なので、夜を待って行ってみたのである。けっこう大きな店だ。どうやら人気店で予約が必要らしかったが、まだ宵の口で店を開けたばかりなので一人なら問題ない。

カレーもうまかったが、それより面白かったのがウェイティングバーだ。

「ではこちらでお待ちください」と案内されたのが、寝床のような場所。カプセルホテルか寝台車のように寝床が並んでいて、薄いカーテンがかかっている。床には絨毯が敷いてあって背中には小さな座布団がいくつもあり、壁や柱には細々と装飾が施されている。その中に入り、座って待っているとお茶が出る。

これがインド風の座敷なのかもしれないが、ここでクダを巻いている気分は、古い小説に出てくる「阿片窟」そのものである。

料理は、甘くないヨーグルト、マトンカレー、こなごなにニンニクを砕いたガーリックナン。素晴らしく美味い。お代は65,000rp(923円)そのうえ安い。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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