ニョクチャム
スパイスの凝り始めとしてまず、キャラウェイとクミンから始めた。
本などを見ると多くのスパイスがどばっと紹介されていて、なんとなくわかったような気がしてそれで済ませてしまうので、ひとつひとつ確かめることにする。写真で見ている限りまったく区別がつかないのがキャラウェイとクミンだったので、まずは「このふたつを使い分けること」を目標にしたのだ。
30グラムの小瓶を買ってきた。ホール(粒)である。実物を見てもほんとうに似ているが、香りを嗅ぎ口に含んでみると、このふたつは明確に違うものだった。キャラウェイは甘く清々しいがクミンは苦く辛い。わかりやすくいえばクミンはカレーでありキャラウェイはミントに似ている。
クミンはそのうちカレーに使うとして、キャラウェイの使い方を考える。
たまたま安く買った豆苗があるのでこれをサラダにしようと思う。材料はレタスに胡瓜と豆苗。まったくのグリーンサラダだ。ナンプラーの味付けも覚えたいのでニョクチャムで和えることにした。
ニョクチャムはベトナムの掛け汁だ。よくベトナムの味の基本は「辛、甘、酸、鹹(しおからい)」だと言う。つまり「唐辛子、砂糖、柑橘汁、ニョクマム」の組み合せだというのだが、私はそこにミントが加わったほうが美味しいし、よりベトナム風だと思う。
そのミントの代りにキャラウェイを試してみよう。
小さな擂り鉢でキャラウェイを潰し、そこにレモン汁を加え、唐辛子を加えて更に擂る。器に取って少量の砂糖とニョクマム(ナンプラーで代用)を加え、味を見て少し醤油を足して冷やす。
仕上げにライム汁を少したらすと、ほぼ思いどおりの清々しいニョクチャムができた。暑い夏にはアジア食がよく似合う。
(2001年7月24日)
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