ヲサム旅日記
4日目
その1
サラタビ第7章:第4日目 その1。ブータン、ワンデュ・ポダン
いよいよ祭り。みんな一張羅を着ている。
ホント楽しみなんだろうなぁ。
朝7時40分起床。8時に朝食だというのに中々起きられず。ホントは少し早く起きて川岸でのんびりコーヒーでも飲みながらブータンの自然を感じようと思っていた。日本を離れて4日。もう体も頭も休暇モード。すっかり会社の事など気にしなくなっていた。
朝食をとった後、いざツッチェ(お祭り)、ワンデュ・ポダンへ。この旅を企画した当初はワンデュ・ポダンに行く事は頭になかった。しかし、代理店からの情報で、我々が予定した日程中に祭りがあるというので急遽組み込んだ街であった。ガイドブックにも3、4ページしか取り上げられておらず特に見所も少ないと記載されていた。なのでこの街での目的は祭りだけ。その分、余計楽しみでもあった。
今回の祭りはワンデュ・ポダン・ゾンでおこなわれる。このゾンは川そばの尾根の上に建っている。車から降りて遠目からこのゾンを見る。このゾンもまた壮大でカッコイイ。
川を渡りゾンに向かっていく。老若男女ブータンの人々もゾンに向かっていく。すげぇード派手なモノからおとなしいシンプルなモノまで、皆、綺麗なゴやキラを着ている。恐らく年に一回のまさしく一張羅だろう。毎年このお祭りを街の人々は楽しみにしているんだろうなぁ、そんな思いでゾンに向かった。
しっかし、人の出が多い。ブータンへ来て初めてこんな多い人を見た・・・。ホント楽しみなんだろうなぁ。
このゾンへ続く道すがら多くの物売りがいた。やはり人の集まる所では商売が成り立つ。とはいえ、ほとんど現地の人間に商売をしており、イイ客である我々外国人には特にモノを押し売りしたりはしない。お国柄なのだろうか?
いよいよメインステージである中庭に入った。
中央では踊りを踊っている人達がいる、そしてそれを見る街の人々。
ゆったりとした楽器の演奏が流れ、それにあわせて(?)踊る演者。
ただじーっと見ている人達もいれば、隣の人と話をしたり、果物やお菓子を食べたりしている人達もいる。
踊りと踊りの間には合唱隊が出てきて歌を歌う。そしてまたちょっと違った踊りが演じられる。歌,踊り,歌,踊り。その繰り返し。これらの踊りには勿論、ある程度のストーリーはあるらしいが(意味が全然わからなかった。一部何となくわかった踊りもあったが・・・)
宗教的な要素も多くあるという。そういった意味で見にきている人達もいるのだろう。とはいえ、踊りなど非常に単調でのんびりしたものである。
またそれらの踊りや歌の途中、合間に「アツェラ」と呼ばれる道化師が観客を笑わせる。このアツェラ、天狗みたいな仮面をかぶり、観客にちょっかいを出したり、何か言ったりしてその場を盛り上げる。いや、しかしこのアツェラの言動がくどい。同じこと繰り返したりしている。まっ言葉がわからないのでしょうがないのか・・。
ところで、こぼれ話だが、このアツェラの写真を1枚撮らせてもらったら、1ドル要求された。ちゃっかりしている。年に一回だけの芸人気取りだ。
さて、この祭り。結局、我々観光客にしてみればはっきり言ってよくわからなく、ワタクシは単に雰囲気を味わっていた感じであった。
では、いったいブータンの人達はこの祭りをどう思っているのだろう?祭りを見る前までは、上でも述べたように、年に一度の楽しみだろうと思っていた。日々、農作業や仕事に明け暮れて、テレビなどもあまり普及していなく、娯楽も少ないから。
しかし一度見ると、外国人であるかもしれないが、この祭り、上でも述べたように非常に単調なのである。正直、1時間ほどで飽きた。しかも周りを見ると、ブータンの人達も観客の輪から離れた所でおしゃべりしている人々もいるし、入り口の外でおしゃべりしている人すらいるのである。暇そうな子供もいた(失礼な思い込みかもしれないが・・)。
ひょっとしたら彼らも同じなのではないのだろうか?祭りの内容よりも年に一度、親戚や友人達と会って話をしたり、ご馳走やお菓子が食べられるから参加する。そういえば、ワタクシも小さい時、田舎のお祭りにかき氷やヤキソバが食べたくて行ってた気がする。やっぱりどの国でもそんなものだろう、祭りって。
一旦、昼食を取るために祭りをあとにし、そばのレストランで食事。昼食後そばのマーケットに行く。
マーケットには酒造りに使う麹の塊(左)やバター茶に使う食材(右)が売られていた。
また、子供達に玩具を買い与えられていた場面に遭遇。嬉しそう。やはり年に一度のお祭りか。
ここのマーケットには散髪屋さんもあった。これは日本と大してかわりないか。
Barber shop
マーケットもそんなに大きくないので、30分ほどぶらついたら終わり。もう一度、祭りに戻る。そこで、見た踊りはまた単調で長い。ホント長い。
カルマから話の内容を聞くと、王様が戦争に行っている間に、王妃に国をのっとられ、しかし、戻ってきた王様は逆に反乱を制圧。その見せしめに王妃の鼻をもぎ取ってしまうというもの。話だけ聞くとなんとも暗そうな話なのだが、そうでもなさそう。所々に笑い声が聞こえる。ワタクシ達はわからないのだが・・。隣でカルマはじーっと見ている。そして時折笑う。いつのまにか眠たくなった。隣を見るとフジウラさんもコクリコクリと揺れていた・・・・。
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