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ついにブータンを離れる朝になってしまった。
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GANGTEY HOTELの部屋はこないだと同じ201、202だったので今度はヲサム君と入れ替えて(つまり私が木のバスタブの202号室のほうに)泊ったのだか、夜中に蚊がうるさくて何度も起こされる。もともと寝た時刻が遅かったので2時間ほどウトウトしたらドアをノックされた。
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空にはぽつぽつ星が見える。これまでの日は曇が多かったので案外ちゃんとした星空は見ていない。今日がいちばん澄んでいるようだ。
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ひっそりとした食堂でコバヤシ夫妻と朝食。台所のほうで「なにかをかきまぜるような音」がしたので、なにが出てくるかと四人で期待したのだが、何も出てこなかった。結局その音の正体はわからず仕舞い。
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5時45分出発。もうあまり時間はない。後で機内でわかったのだが、「最後の四人」だったらしい。そのせいか座席も最後部の14ABCDであった。
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空港であわただしい別れ。カルマやミンジュは空港ビルの中に入れないらしく、表で握手する。持っていたアウトドアグッズなどをプレゼントする。
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ミンジュが民族衣装の上に例のアメリカンキャップを被っていると老人が舌打ちをしながら「その帽子を脱げ」という。ミンジュはおとなしく従っている。ここは公共の場であり、若者の服装の乱れを嘆く老人がいる。そしてその注意はいまだ効力がある、という情景である。
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出国管理を済ませても平気でロビーに戻る白人客。
それなのに「トイレは厳重」とは何だ?
イミグレーションをすませて出発を待っていると、突然白人客が「ポストに手紙を入れるから」とイミグレカウンターを通り抜けて外へ出ていった。係員もそれを止めない。信じられない。出入国管理の意味が理解されていないようだ。
白人はそのように傍若無人にふるまい、ガイドたちは1歩も構内に入れない。理不尽な光景である。
最後の60ニュルタムをヲサム君と半分こにする。私は30Nuのミネラルウォーターを買って完全消費。ヲサム君は記念に持って帰るようなので、きれいなほうの3枚を渡す。
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マユミさんがトイレに行ってきて「トイレの警戒は厳重だった」という。イミグレはいい加減なのにトイレが厳重とはよくわからんが、なにやらゲンジューだったらしい。
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機に乗り込む。さよならブータンだ。席について窓からあたりを眺めていると「いったん外に出ろ」と呼び出される。なんのことだ?とタラップを降りてみると貨物室のドアが開いていて、その前に私たちの荷物が置いてある。どうやら本人が最終確認をして積み込む、という手順らしかった。
ともあれ「本人チェック」をして機内に戻る。
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ダッカ空港まで1時間半、そこからバンコクまでさらに1時間半、といったところだ。アフガンの戦闘が始まる少し前だったので、ダッカ空港には緊張の色があった。「ここに降りるなら、もっと厳重にチェックしてほしいわよね」とマユミさんがつぶやいている。
乾いた土地なのだが周辺は干潟のようで、大河が氾濫した痕が随所に感じられた。
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今回の旅行でいちばん満足した食事が「機内食」。
情けない?んー、でもホントにうまかった。
ふたたび離陸。しばらくすると機内食が配られた。「あれれー?」。ひとりひとり違う。私のは金のカバーがかかったファーストクラス食だし、マユミさんのフタにはマジックで「CREW」と書かれている。どうやら数が合わなくていちばん後ろの席には残り物が廻ってきたらしい。
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私のを開けてみるとチキンカレーが入っていた。なかなか美味いなァと食べていると、通路の向こうの席でマユミさんがひえーっという顔をしている。「どうしたの」「辛いー!」
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マユミさんは (=0=;) みたいな顔をしているのであった。
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「食べてみます?」「うん」。クルー食の中身はエマダツィだ。どれどれ、おー、これはうまい。辛くてうまい。これが欲しかったのだ。食べた後でちょっと口の中がほてっているくらいの辛さ。この程度がいちばんうまい。
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ぱくぱく食べる私を一同あきれた顔をして眺めている。このフライトの食事については大満足だ。
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機内で配られたkUENSELにはもうツェチュの記事が載っている。1面の写真に、ごくごくごくごく小さく私たちが写っている(ような気がする)。やった!ブータン新聞1面トップだ。って、、、それほどの大きさではありません。載っているかもしれない。ような気がするなあ。程度の芥子粒。
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右の窓からヒマラヤの峰が見えた。それは、指摘されなければ雲と思うような高さにあった。
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