ブルースフェスティバルを調べてみると、行きたくなるようなものはいくつもあったのですが、いちばん気になったのはクラークスデールの隣の「ヘレナ」という町で開かれる「キング･ビスケット･ブルース･フェスティバル」というものでした。

「キング･ビスケット･タイム」というラジオ番組は、かつてサニーボーイウィリアムスソンがＤＪをつとめた有名なブルース番組。ヘレナのローカル放送局「ＫＦＦＡ」から、いまでも毎日12時15分から30分間放送されています。

そういうこともあって「キング･ビスケット」と聞くとブルースの匂いがぷーんとしてくるような気分。行くならこのフェスティバルだ！と決めました。

とくに「ブルース録音１００周年」とうたってあるわけではなくて毎年開いていて今年が○回目らしいですが、それは重要な問題ではない。このフェスティバルに行くべく日程を決めることにしました。

「キング･ビスケット･ブルース･フェスティバル」の日程は１０月第２週の木曜から土曜日。サラタビの趣旨として「月‐金を休んでそれに前後の土日を足す」ということですから、出発はどうしても土曜日になります。

第１週の土曜に日本を発って、シカゴ→メンフィス→クラークスデール→ニューオリンズ。おおまかに次のような行程を考えました。

１日め　 土曜　成田→シカゴ　シカゴ泊
２日め　 日曜　シカゴ泊
３日め　 月曜　アムトラック車中泊
４日め　 火曜　メンフィス着　適当にそこいら泊
５日め　 水曜　適当にそこいら泊
６日め　 木曜　ブルース･フェス　クラークスデール泊
７日め　 金曜　適当にそこいら泊
８日め　 土曜　ニューオリンズ泊
９日め　 日曜　ニューオリンズ泊
10日め　月曜　ニューオリンズ→
11日め　火曜　→成田

サラタビの規定を二日こぼれてしまいます。１０月第３週の月曜日は体育の日なので休み。もう一日、火曜日休みを取ることにしました。そうしないとニューオリンズに着いたと思うとすぐ帰ることになっちゃうのです。サラタビの規定を超えちゃいますが、うーん、ゴメンナサイです。

あまり暑くない夏の途中に、ひとつコンサートがありました。ダイスケ君という若いピアニストがロシア人ピアニストとデュオコンサートを開いたのです。ダイスケ君は知り合いでときどき相談に乗ったりしているので、コンサートの翌日打ち上げかたがた私の家でメシを食うことになりました。ちょうどその日ヲサム君もサラタビの打ち合わせに来ることになっていたので、「じゃあスキヤキにしよう」と食ったり飲んだりしているうちに、いつのまにかダイスケ君もこの旅に一緒に行くことになりました。

『ダイスケが仲間に加わった』。ＲＰＧなら♪チャラ〜と鳴る場面。不思議な縁です。ダイスケ君はヲサム君よりさらに年下の、美形の若者です。ヲサム君と二人旅なだけで「あの二人はどういう関係だろう？」と、ときどき不思議がられるのですが、ますます不思議な一行になりそうです。ともかく、そういう三人旅でブルースロード、ということになったのでした。