Porgy & Bess
Summertime
サマータイム
(George & Ira Gershwin)

アメリカが生んだ唄のなかで最も有名なもののひとつでしょう。 1935年、ミュージカル「ポーギーとベス」のために作られた一曲です。

ポーギーとベスの初演は、評価はまちまちだったものの興行的には不成功でした。その2年後にガーシュインは死んでしまいます。「黒人キャストによってしか演じてはならない」という作者による指定も、この芝居の普及を阻んだ要素のひとつでしょう。ストーリーも黒人の悲惨な生活を扱った暗い、見方によっては不道徳なものです。

しかしガーシュインの死後、このミュージカルは正当な評価を得ます。舞台を見たことのない人にもこの曲の美しさは知られるようになりました。

劇中、この歌は三回唄われます。まず一幕の冒頭「鯰横丁(Catfish Row)」の暑い夜、漁夫ジェイクの妻クララが幼い子供を抱いて唄います。歌劇的解説でサマータイムは「クララの歌うアリア」とされるのはこのためです。二度めは嵐の中、漁に出かけた夫の身を案じながらクララが唄います。そして三幕、今度は子供を抱いたベスによって唄われます。なぜベスが唄うのか。それはクララもジェイクも嵐で死んでしまってこの子は孤児になったからです。

「父さん母さんが見守っているから」と唄う素朴な子守唄。しかしその歌詞の意味合いは一幕と三幕ではまったく変わっています。ベスも一幕では貧しくも穏やかな生活でしたが、この歌を唄うときには運命に翻弄される身の上。

哀しい状況のなかで、平穏な頃を思い出しながら、そして希望を求めて唄われる子守唄。それがサマータイムです。

Summertimeは多くの人が唄っていますがわりあいと「アメリカンクラシック」のような録音が多く、ちょっと「たるい」感じなものも少なくありません。

そのなかで私にとって最も印象深いものはジャニスジャプリンが「チープスリルズ」で唄ったバージョンです。見事なロックバラードに仕立てなおされたその唄は「サマータイム」という曲の印象を大きく変えるものでした。

サマータイムのオリジナルはオーケストラのスコア譜なのでコード指定はついていません。案外複雑な和音なので解釈によってさまざまなコードがついています。FGODは、少し単純化した進行をつかっています。




Summertime

夏の頃
\Summertime
and the livin' is easy
Fish are jumpin'
and the cotton is high
Oh yo' daddy's rich
an' yo' ma is good lookin'
So hush, little baby,
don't you cry

夏の頃は
暮しも楽だ
魚は飛び跳ね
綿花は伸びる
父さんは金持ち
母さんは美人
お眠り 坊や
泣いたりせずに
One of these mornin's
you's gonna rise up singin'
Then you'll spread yo' wings
an' you'll take the sky
But till that mornin'
there's ain't nothin' can harm you
With your Daddy an' Mummy
standin' by

ある朝 坊やは
立ち上がって 唄う
翼を広げて
空だって飛べる
その朝が来るまで
何も恐がるものはない
父さん母さんが
見守っているから


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