この曲こそ「カバーしているのは世界でFGODだけ」でしょう。全然有名な曲ではないし、資料を調べてもこの曲を収録したアルバムはひとつしかありません。
この曲の入っているアルバムはJoe Walkerの「Silvertone Blues」(写真)です。ギタリストのアルバムなのになんでピアノ曲が入っているのでしょう。このアルバムは全編アコースティックで昔懐かしいサウンドを再現したものなので、「当時の雰囲気で一曲」てな感じで演奏したものだと思います。
ピアノはKenny "Blues Boss" Wayne。従ってこの曲は「ケニーのバレルハウス」という名前を持っています。バレルハウスというのは「樽小屋」。古い田舎の酒屋の異名です。そこに置いてあるようなおんぼろピアノをぽろぽろ弾くような、そういう弾き方をバレルハウスピアノと言います。
ピアノのスタイルでいえば、ラグタイムからブギウギにあたる時代です。当時の楽しいどんちゃん騒ぎを再現した曲、という感じですね。
というわけで普通なら作曲者名にKennyという名前が入るはずですが、Spruellという聞きなれない名前が記されています。なんででしょう?「Kenny Wayneの本名がSpruell」なのか、あるいは「ケニーバレル(ジャズギタリストの名前)とバレルハウスをかけた」のか。後者がけっこうありそうだなァと推測しています。
ピアノの美智子さんにスポットライトが当る曲を探していて、この曲を見つけたので取り上げました。古い酒場で飲んでいる雰囲気で美智子さんのピアノをお楽しみください。
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