Poet of the Blues
If the Sea was Whiskey
イフ ザ シー ワズ ウィスキー
(Caston/Dixon)

あんまり知られてない曲だと思いますが、なんともトボけた味わいがあって私は大好きです。

作詞は例によってウィリーディクスン。どうやら私はこの人にすごく「弱い」みたいですな。知っている限りこの曲の入ったアルバムは3つしかありません。それもひとつはオリジナル。もうひとつはオリジナルを再掲したもので、3つめはトリビュートアルバムですから、実際には他人は誰もカバーしてないってことですね。

オリジナルは大昔、ディクスンが若かったころの人気グループ「BIG THREE TRIO」です。作者クレジットに名を連ねているCastonはこのバンドのピアノLeonard Caston。BIG THREE TRIOはブルースバンドと銘打っていますが案外カントリーとかフォークっぽい曲も多く、この曲もカントリーブルースのようなテイストを持っています。

歌詞はこれまたたわいのないもので、「海が酒だったら俺はそこに飛び込むよ」なんぞという脳天気なものです。まあ、FGODの気分には合ってる曲かなあとは思います。けども、日本のステージでは歌詞が伝わらないから出し方に工夫をしなければなりませんね。これを読んだ皆様はよろしくご理解のほどお願いしますです。

この曲の歌詞を取るのには苦しんで(なにしろ録音が少ないものですから)、長い間自分勝手に解釈した間違ったものしか持っていませんでした。ふとした機会に印刷された歌詞を見つけたのでそれを採用します。これが正しいものかどうかはわかりませんが、少なくとも私が取ったものよりはましでしょう。

アメリカ人にとっても他の人の歌詞を聞き取るというのは難しいもののようです。ボブディランがビートルズの曲の「I can't hide」というフレーズを「I get high」と思っていたという話があります。これは作られた逸話かもしれませんが、そういう話が成立するくらい、文字になった歌詞にも微妙な違いがあります。またブルースの場合はとくに「唄うたびに違う」ということは頻繁ですから、あまり神経質になってもしょうがないようです。

オリジナルを再掲したアルバムとは、ディクスンが自作を選んだ「ブルースの詩人(Poet of the Blues)」というものです(写真)。してみるとディクスン本人にとっても、この歌詞は自信作のひとつなんでしょう。




If the Sea was Whiskey

もし海がウィスキーだったら
If the sea was whiskey
and I was a diving gull
If the sea was whiskey
and I was a diving gull
I would dive to the bottom
and I don't know when I'd come up

もし海がウィスキーで
俺がカモメだったら
もしも海がウィスキーで
俺が潜れる鴎だったら
海の底まで飛び込んで
いつあがってくるかわからない
I'm just still wondering
Will a matchbox hold my clothes
I'm just still wondering
Will a matchbox hold my clothes
If things don't get no better
Down the road I go

俺はさまよう
マッチ箱に服を詰め込んで
俺はさまようよ
小さな鞄に服を詰め込んで
もしいいことがなかったら
もっと深く潜っていくさ
Whiskey and beer
They don't make me drunk
Whiskey and beer
They don't make me drunk
But I believe these blues
gonna make me pack my trunk

ウィスキーとビールじゃ
俺は酔っぱらったりしない
ウィスキーとビールじゃ
俺は酔ったりしないぜ
でもあのブルーズってやつが
俺を旅立たせるのさ


CD
Willie Dixon

If the Sea was Whiskey



Whiskey Blues
ブルース詩

楽譜
Willie Dixon
Whiskey
Blues Bass



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