Yangon
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ミャンマーまでのフライト中、体調が悪くなっていく。
ヤンゴン空港ではドルの強制両替が要求される。

ミャンマー航空の機内で猛烈に体力が落ちていくのを感じた。気圧の変化のせいか。前夜寝不足だったのがいけないのか。

精神状態も体調に影響されるのか「旅そのものに飽きてきた」という想いに襲われる。ホームシックとはちょっと違うようだ。家に帰りたいというより、仮寝の日々を止めてどこかに留まりたいという気がする。


バンコクからヤンゴンへ
ビルマの海は干潟である。こんな大きな干潟は見たことがない。干潮の海は乾いて泥の地となり、強い陽射しが砂漠のような陰影を描いている。

バンコクからヤンゴンまで一直線。干潟に落ちた飛行機の影は、南東から北西にゆっくり進んで行く。

ミャンマー航空は就航5年目。食事はチキンとチーズのサンドイッチだがなかなか美味だ。けっこう気合が入っているようだ。試しにプレイングカードを頼んでみるとちゃんと備えてある。


ヤンゴン空港。一定額の外貨を国内貨幣に替えなければならないと強制される。用紙には「300米ドル以上の両替を義務とし、出国時の再両替は300米ドル分を上限とする」と書いてあった。

ドル紙幣をそんなに用意していない。手持ちのドルは500ドルのTC(トラベラーズチェック)だけだったので、それを両替する。200ドルくらいは滞在中に使ってしまうだろう。500ドル分のFEC(Foreign Exchange Certificate/外人貨)というものを渡される。粗末なものだったので、はじめは人民貨であるチャット(公称1/6$)を渡されたのかと思った。

空港で宿泊ホテルを決めさせられる。自分で自由に行くことはできず、ホテルまで強制的に連れて行くという。いかにも共産圏である。疲れているので中級からやや高級のところを選ぶ。YAZANA GARDEN HOTEL。駅に近く便利という話だ。

ハイヤー10$チップ1$、空港職員が勝手に決めてどんどん乗せる。どうせバックリベートを取っているのに違いない。


仏像の尻
こういう外人貨と人民貨については、以前上海で経験したことがある。そのときは日本人と顔がほとんど同じということもあって、人民貨を使うと現地の人と見分けがつかなかった(言葉は聾のふりをした)。一方外人貨を使うとひどくボラれた。

その経験があるので、人民貨を使ったほうがおもしろい目に会えると思い込んでいる。



c 1998 Keiichiro Fujiura


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