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バリクパパンはカリマンタン(ボルネオ)島南東部にあるインドネシアの都市である。ジャワからカリマンタン東岸を北上してフィリピンへ至る海路の中継点であり、ジャワ、ボルネオ、スラウェシ三島を結ぶ海の要所だ。
バリクパパンは結局トランジットだけだったので、空港から出ていない。当初の予定ではこの町で一泊するつもりだったのだが、悪魔のジャマーンが「タラカン泊」と決め付けたので、そうなってしまった。
タラカンからウジュンパンダンへ行くときにも、ウジュンパンダンからの帰りスラバヤへの乗り換えにもこの空港を使ったが、そのたびに数時間待たされた。
理由は「霧」である。砂嵐のような、空も暗くなるほどの霧であった。ひどいときには「バリクパパン空港は閉鎖(closed)」とアナウンスが出る。空港には向かない気候なのかもしれない。昔の船乗りもこの霧に悩まされたのだろうか。
空港から出てみればなんのことはない普通の町だったのかも知れない。
見ていないだけに、妙に気にかかる記憶になってしまった。
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