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サラタビ八丈
3章−3:〜御蔵島
宿のご主人のご好意で島を案内してくれる事になった。他の御客さん(女性4人)も集まりいざ出発。島の頂上を目指す感じで車は登っていく。小雨が降る中、彼女達はカメラを持っており、どうも沢の方まで撮影に行くようである。途中、沢の手前で彼女達は降りていき、我々はそのまま車にて更に頂上に向けて登っていった。しかし、この雨の中、彼女達は大丈夫なのだろうか?
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そして我々が到着した所はえびね公園。この公園は御蔵島が原産であるニオイエビネランの自生地を再現した公園で、保護、増殖栽培をしている公園である。このニオイエビネランは3月の下旬から4月にかけて咲くランの一種だそうである。名前の通り、そのランが咲いている周辺はとても芳しいニオイで一杯だそうである。やはり保護されているだけあり、勝手に採ってはいけないらしく、以前、どこやらの種苗会社から雇われたバイト君が、無理矢理採取しようとして大問題(大迷惑)を島の人々におかけしたそうである。芳しい匂いのするモノは魅惑的なのである。
残念ながら、その日はお休みで園内を見る事ができなかった。というのもその日、島の方の御葬式があり、島の方々が列席するということで公園もお休みになったそうである。
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帰りの車の中で、島の様子などを聞いた。近年、都会では子が親との同居を避け、核家族化している。この島では島に残ればおのずと同居となるはずだが、逆に子供が家庭をもつと親から離れていくそうである。やはり、親子間のいざこざ等は必ず起き、そういった噂は小さい島なのですぐに流れ、いずらくなるのだという。だったら初めからややこしくなるような事を避ける、という意味もあり親が自らひくそうである。とは言っても、島を出ていく人間が少なくないもの現実だそうである。
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その辺を軽く一回りしてから、宿に戻ってきた。あとは島の反対側にある南郷地区に連れていってくださる島の方を待つばかり。待っている間、宿の前をぞろぞろと人の大群が通りすぎていった。お聞きすると、これが御葬式に参列する人達だそうである。なるほど、まさしく島の人達ほとんどだ。皆で御墓に向かっていった。案内していただく島の方もこの御葬式に参加されているそうで、これが終わってから南郷地区に向かうそうである。
ところで、昔はどこでもお葬式というものはこうだったのだろう。ワタクシ自身はあまり経験がないのだが、近所の人々が皆集まり、皆で死者を弔う。今や街の大きな葬儀屋さんが全てを取り仕切っている。近年ではあまり見られなくなった光景なのだろうだと思う。
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